臨床のアレコレ

投稿が止まっていましたが毎日パソコンでカタカタ投稿した論文のデータを見ていました

まだ世に出ない「私の考えや希望や訴え」は大学院の恩師や職場・仲間の協力で陽の目を浴びるのを待っています

だから頑張ります!!

さて今日は臨床の話をしたいと思います

完成された概念・技術は無いと思います 常により良くなる為に磨き上げたり、繋げたり試行錯誤をしていきます

私は骨と応力で荷重応答を変える、変えた荷重応答から機能障害や歩容の変化を促します

この治療の恩恵はクライアントの動作の変容や動作時痛の軽減等がありますが

その他に良い点と言えば状態を維持する時に行う練習が負荷が小さい事があります

簡単な練習で荷重応答を変化し維持する事ができるわけです

自分で言うのもあれですがとても優れた概念・技術と自負しています

そういう事をできない治療家もたくさんいると思いますので発信を続けていきます

 

しかし、これをふまえた上でも解決できない事もあります

 

動作を誘導する中で重力で生じる問題(床反力やモーメント)は荷重応答の変化だけでは処理できません

あくまで荷重応答のルートの開拓にすぎません 

 

車で例えるなら走行ルートが変わっても搭載しているエンジンや重さは変わらないわけで走りやすくなるだけなのです

山を登る車がデコボコで曲がったルートを走るのと整地された直線の道を走るのでは後者の方が無駄なエネルギーを使わず前者より楽に上がれるかもしれませんが・・・

上り坂が下り坂になるわけではないのです

 

人間の動作に置き換えるなら踵接地時生じる内部のエネルギーはペラペラの殿筋ではコントロールはできませんし膝伸展位での大腿四頭筋の遠心性収縮力や足部内在筋等最低限必要な要素があります

骨の話をする人間ですので「骨に目を向ければ全部オッケー!(^^)!」っていう人と思われがちですがバックボーンは理学療法ですし筋トレもします

これを骨の応力に着目して必要な部位の筋力は鍛えるというスタンスです

殿筋の話を出したので骨と応力で動作誘導をする際には踵接地は殿筋とハムストリングスは反対の作用をします

じゃあハムストリングス有意に誘導する事がクライアントに良いと判断したとしましょう

しかし別の観点から考えて踵接地の落下エネルギーをコントロールできずその原因が殿筋に問題があると仮説を立てた場合どちらが正しいのか

 

 

両方正しいと思います

荷重応答はハムスト有意にコントロール(CKCで)し殿筋はOKC(OKCもCKCも理学療法士ならわかるはず)でボリュームを付けます

荷重応答とは全身の繋がりです、CKCで練習していく事で差別化していきます 動作に似せたタイミングや負荷量で行います

一方ボリュームつけたいが動作に影響は与えたくない時はOKCで練習する事に最近しています

 

これが今できるベターな事と考えています この方法もよい方法を模索していく中で変わるかもしれませんが・・・

 

何年目でも常にアップデートしていく、私の恩師もそのようにしています

臨床のアレコレというお話でした

治療効果を持続させる為に意識している足底への介入

骨への応力という考えから、動作や身体不調(ここでは痛みを中心に考えてください)へ介入する際に、骨が受ける・・・・

荷重応答を変えるという事を行います

 

荷重応答が変われば・・・

動作(動作における各層の前額面・矢状面・水平面の空間的変化・時間的変化)が変わります

荷重ストレスが変わります

動作に使用する筋が変わります

その結果痛みに何かしらの変化が生じる事が多いです

 

ここまでは私が紹介する理論でなくても変化を出す術はたくさんあると思います

 

しかしその先にセラピストやボディワークをされている方も経験する問題があると思います

 

それは

良くなっても元に戻ってしまう事

この問題に対し治療技術背景に力学的な介入を取り入れている人はインソール等を使う方もいらっしゃいます

私も入谷式インソールを学んだものです

とても良いツールだなと思います

 

ただグラインダーが必要だったり削るスキル、切ったり貼ったりする事も必要です

 

長年やらないと身につかない技術です!

是非インソールの世界にも触れていただきたいなと思っております

 

私は骨と応力という可能性を掘り下げたいのでインソールに代わる方法を模索しておりました

骨と応力という観点から何かを変えたいのに、それでも骨と応力で変わらないところを探していくわけです

元に戻ってしまう方の足底を触ると胼胝(タコ)や硬化した場所が散在します

さらに足部にあるたくさの骨の中には回りからの圧で硬く動かなくなった骨があります

骨ばかり触っているとその動かない骨自体も硬く感じたりします(感覚です)

理論の話に戻しますが痛みを伴わない硬さは荷重しやすい環境になります

↓↓↓

ブログ:組織の硬さを味方にするに書いているので読んでみてください

いくら周囲を変えても足底の荷重部位が変わらなければ戻ってしまう事もあるでしょう

 

また誘導したい骨の応力に対応した足底の荷重部位もありますので

上半身も下半身も足底も一致させてあげる事が治療効果を持続させることに繋がります

 

治療効果が持続しないその症状、足底を見てみると解決の糸口があるかもしれませんよ

 

 

 

 

 

世に出た骨のうれしい論文

骨を強く作る為にはどのような形状が良いか? 医学・工学の分野の研究が面白いのでシェアします!!!それは・・・

Outstanding in vivo mechanical integrity of additively manufactured spinal cages with a novel “honeycomb tree structure” design for inducing high quality bone: outcomes in sheep model

大阪大学大学院工学研究科の中野貴由教授の研究グループの研究です

日本語で完結に紹介をして下さるサイトがあるので併せておきます↓↓

「POST記事」←クリック

 

★イントロダクション★

私たちが地球という星で生活していく中、皆平等に影響を受けるのが重力です

その力に抗うように生活するには筋や骨の硬さが必要になります

その中で骨は足の裏で立つ以上重力のベクトルや受ける時間的要素等の影響は規則性が生じます

つまり必要な動作の中において一つの骨の総体積中全てがその強度に抗する必要がありません!!

体は構造上優先的に圧に抗する為の必要な部位の強度を上げ密度骨の配向性を変化させています

密度は皆さんなじみのある骨密度です!密度が高い方が強度が強くなるのはイメージわきますよね?

今日は配向性の話を中心にします

 

★配向性に関係する外力★

骨の配向性とは読んで字のごとく組織の配置される向きです

細胞が作る構造物である骨はミクロな骨芽細胞(骨を作る細胞)がベースとなります

この骨を作る細胞は四方八方に骨を作るわけではなく作る向きが決まっております。

この細胞が同じ方向に向いていれば向いているほど、ある方向からの外力に強い構造となるわけです

例えば綱引きをイメージしてください

 

同じ方向に向けて引くのといろんな方向に引くのとではどちらが強い力を発揮できるでしょう?

同じ方向を向いている事が重要であることはすぐわかると思います

密度が高くても配向性がバラバラでは強度が高いとは言えないと思います。

骨の配向性を決定させる要因はその骨が受けている外力に依存していると考えます

 

私が研究しクライアントに提供し情報発信している事はずばり!!

この外力を動作に応じて必要なところに介入することで動作が変容し長期的に骨強度に影響を与える可能性があるという事です

しかしセラピストが加えられる外力というのには限界があり、そして外力の質にも選択性が少ないわけです

何が言いたいかというと、外力が骨にいいというのはわかっているんだけど、どんな外力が良いのかわからないのです!

 

紹介する論文は骨の配向性を誘導し骨強度を上げるリモデリングサイクルに入れる現状最善デバイスを作ったと思われます!

それはこれまで全く予想していなかった方向からのアプローチでした・・・大事なのは荷重を伝えるための形や構造

 

★ハニカムツリー構造★

端的にまとめると脊椎疾患の早期治癒を促すためのケージ作成を骨配向性の整った質の高い骨を誘導する工夫を行い完成したのがハニカムツリー構造のケージです

ハニカムツリー構造とはハチの巣のような六角形に各角の対角線を結んだような形状を立体的に構造されています

 

ハチの巣の形状をハニカム構造と呼びサッカーのゴールネットや座面クッションに採用される構造機構になっています。力学的に頑丈さや力の分散性が良い形とされているのでしょう!

 

骨のコラーゲン/アパタイト配向性(骨配向性)によって強く支配されることを、材料工学の視点から明らかにした事で出来たケージなので

現状ハニカムツリー構造が骨配合性の良い骨の形成を促す最も良い形状である事が言えます

受けた荷重がこのケージを介し伝達されると骨強度が従来のケージ(自家骨を使用するケージ)の3倍の強度がある事が分かりました。

ハニカムツリー構造のケージは製品化され今後たくさんの脊柱疾患の患者の貢献をする事でしょう

 

★ハニカムツリー構造を臨床応用へ★

骨の配向性をよくする誘導をするハニカムツリー構造を応用し介入方法を模索しています

今後良い結果が出たら報告していきたいと思います