歪み(ひずみ)と歪み(ゆがみ)の使い分けと最近のアレコレ

骨を治療対象とする考えの中で歪み(ひずみ)は切り離せない単語です そしてゆがみとも呼びます。その違いは

ゆがみ:直線や平面の変形 一次元や二次元の問題

ひずみ:三次元上のゆがみで生じたズレ

私は骨という三次元の物を対象に扱うので歪み(ひずみ)という単語を好んで使います

歪みと書いた時はひずみと思ってくださいね

私の投稿はほとんどが①外力により変形が生じなくても応力が生じミクロでは歪みが生じているという事、②歪みが起きると関連する部位の硬度や反力や身体反応が起きる経験をしている事、③それを基に動作誘導をする方法を紹介している です!

 

さて今回はとても考えさせられた事について書きたいと思います

昨今のSNSでも骨の●●アプローチという技術の紹介をする方と、それを批判する記事を上げている方がいました・・・

私はとても悲しく思いました(何に悲しく思ったのかのちに伝えます)

これまでの理学療法の分野では骨の力学的負荷に対する反応は変形や骨折といった究極の状態(ひずみの負荷許容を超えた状態)又は状態の結果(応力が長期化した反応)としての概念がほとんどだったと思います。そのような背景では骨のアプローチと聞くと怪しく、危険なもののように思えてしまうでしょう

アプローチを紹介する側も客観的データなのか、持論なのか混在しておりツッコまれても仕方ないなと思います・・・やっている事は徒手で歪ませる介入なのではないのでしょうか?

 

考えてみてください

骨に加わるストレスは究極圧縮か引張(捻じれもストレス方向への圧縮または引張)しかないんです、圧縮や引張刺激は歪み(ひずみ)につながるだけなんです。歪みの結果圧電効果が発生(ピエゾ効果)し生理学的反応(リモデリングのトリガー)にも関与しますが、骨の形態に対しては歪むだけなのです 

歪むだけなのです

 

とても身近な現象なんです

寝ている人が起きたら・・・腰椎は重力の影響で鉛直方向に歪みます

立っている人が歩いたら・・・踵接地の瞬間接地面は床反力と重力の影響で歪みます

ジャンプしたら・・・床から足が離れる時も着地する時も接地部分は歪みます

脛骨を皮膚越しに圧縮負荷を加えたら・・・接触している点と脛骨間で歪みストレスが発生しています

歪みストレスが許容範囲を越えなければ骨は変形も骨折もしませんが体には、骨には、力学的負荷は加わっているんですよ

 

「負荷0」の状況から変形・骨折する間で私たちは生活しているのに、ここに目が向かないんですよ

 

起きたり、歩いたり、ジャンプしたりする事は当たり前すぎで理解・許容できるのに徒手で脛骨に介入を加えたら怪しいって・・・

骨への歪みストレスの結果、骨内の水分量の変化や身体反応の変化は起きる現象です(データが取れている事とまだ研究中の内容があるので今は私の持論としたいと思います)

骨の力学的負荷への解釈がまだまだ認知されていないのだなと思いました

アプローチを紹介している人でもそれを批判している人でもなく、私自身が不甲斐なく悲しくなりました・・・

骨の力学的負荷(歪み許容負荷内)に対する骨の反応・身体反応を研究テーマとしている私が、世間的に認められた論文を出せていない事、療法士業界の骨の力学的負荷に対する解釈を広げられていない事、骨の技術を紹介・開発している人が頼りとなる論文を作れていない事

本当にすみません

このようなブログの活動も解釈を広げる為なのに、まだまだ無力なのだなと思いました

今後もより一層「骨の力学的負荷への反応に対する解釈を広げる活動」を続けていきたいと思いました