地球で生活するには重力の影響を無視できない!!
私たちは地球上で生活するうえで皆等しく影響を受けているものがあります。それは重力です。この重力に抗する為に必要な土台が骨です。重力はもちろん、内臓物の支持等圧力から骨は耐えうる構造となります。また筋の張力は骨への牽引する力として働きます。骨は圧縮や引張、捻れる力に抗して四肢を動かし、生活をしています。重力や質量から体を支えているのが骨である事は皆共通であると言えます。
力は骨へ応力として伝わる!!
重力等の外力、筋張力等の力は応力として骨内に伝わります。この応力は強さを変え、方向を変え、骨を伝っていきます。骨の形態に沿って見えない力が伝っていくのです。
骨の応力は行う動作によって変化する!?
ここからが本題です。私たちは様々な動作を組み合わせ生活をしております。例えば前屈や後屈全く異なる動作ですが、重心位置・受ける応力・使う筋肉異なる箇所が多いです。もちろん骨の応力も動作によって異なります。人間は立つ・歩く等の使いやすい動作における応力に対し耐えうるように強く骨内を強化する働きがあります。そこで構築される物が骨梁です。骨の応力は動作で変化し頻度の多い動作に対し抗する身体機構が存在します。
行える動作が少なくなると・・・
疾患を患う・動かなくなる・年を取って活動量が落ちると動作のバリエーションも少なくなりますよね?歩幅は狭くなる、まっすく立てなくなる、バランスを崩しやすい・・・
すると骨への応力は偏ります。過剰なところにはストレスが集中し変形が起こり、減少したところは応力に耐えうる構造の必要がなくなり骨がスカスカになります。
変形性関節症や骨粗鬆症、転倒しやすさ等に繋がる事は容易に想像できます
失われた動作に必要な応力を意図的に与えたら!?
偏った応力状態では失われた動作を引き出す事は難しいでしょう。失われた動作を引き出すポイント、それが骨と応力でした。動作で得られる応力とそこで発現する骨を強化する身体機構は動作なしには再現が難しいです。しかし「動作で骨に生じる応力がどのように加わっているのか」さえ知っていれば相手が寝たままでも外力を加える手段はあります。それがこの治療概念の核と言えます。この治療概念から私は正常動作の骨の応力に焦点を合わせ研究をしてきました。そして異常動作へ介入し改善していく様子、そして患者の笑顔を見てきました。
この治療概念は以下の効果が期待できます
四次元歩行観察・介入による動作改善
三次元的な観察歩行分析に骨に加わる応力(新しい次元)を予測する事で現象による改善点を予測が可能になります。例えば立脚終期において伸展可動域は確保されているのに伸展が出ない場合に大腿の後面には圧縮力が普段から加わっていないことが予測できます。事前に大腿後面に対し徒手的な圧縮介入を加え、荷重環境を作る事で伸展できるようになることがあります。
筋出力の向上・抑制のコントロール
大半の筋は骨に起始停止を持つ事は周知の事実です。また筋の収縮とは付着部同士を近づけたり離したりする事を教わります。しかし「骨」と「応力」という観点から考えると筋の作用は付着部に引張応力を加える事になります。この力に抗して近づき、また離れるのです。つまり動作が伴う前に応力の変化が骨に起きています。逆を返せば事前に徒手的に操作を加え、筋出力を発揮しやすい環境や抑制したい状況を作る事も可能です。
無意識下での誘導
「〇〇に意識して立ってみましょう」「歩くとき〇〇に意識して歩きましょう」このように指導することはありませんか?私も昔していました(状況や場合によっては使う事はありますが)。しかし日常生活様々な情報が入ってくる動作中にこの意識というのはいつまで続くのでしょうか?また意識した動作は問題のない事象まで必要以上に制限してしまう事もあります。この治療技術は土台となる骨の荷重応答に作用し無意識下で動作を誘導します。また変化した動作も「動作の意識」ではなく適切な筋収縮練習で持続が可能です。
荷重ストレスの分散
この治療技術は土台となる骨の荷重応答に作用します。変形性関節症等の荷重ストレス集中は関節前後の骨の徒手介入により誘導されて荷重ストレスが分散されます。痛みなども軽減され、動作にも波及します。長期的にはアウトラインも変化していく事を経験します。この応力分散が骨のリモデリングに作用し微小の構造変化に繋がっているのではないかと考えています。